幌尻岳(ぽろしりたけ) 2,052m
登った日 平成19年7月5・6日(木・金)    曇・雨                  単独
登り口 北海道  新冠町  林道仮ゲート
道順 豊橋ー中部国際空港ー千歳空港ーニセコ(泊)ー羊蹄山ー札幌(泊)−平取ー林道仮ゲート 
登り時間 林道仮ゲートー(35分)ー本ゲートー(1時間25分)ー取水口ー(2時間20分)ー幌尻山荘(泊)(1時間50分)ー命の泉ー(2時間30分)−幌尻岳         8時間40分
頂上眺め 戸蔦別岳、カムエク、ヤオロマップ、インドナップなど
地図

 羊蹄山に続いて幌尻岳行った。幌尻山荘は予約が要る。予約申し込み受付は4月2日から始まるが、最初の3日間は申し込みが殺到し、電話が繋がらない状態であった。2ヶ月ほど前にはほとんど埋まってしまう。山でのテント設営は禁止となっており、幌尻岳へは往復16時間ほど掛かるので、日帰りは猛者でもない限り、体力・時間で限界がある。
 今は本ゲートの前に仮ゲートがあり、車はそこまでしか入れない。山荘までは4時間以上歩くことになる。今日は札幌からカミさんを千歳飛行場に送って来たので、13:00から歩き始めた。寝袋などの入った重い荷物を背負って、まず林道を歩いた。ほかに行く人はない。帰る人にはたくさん出会った。2時間ほど歩いてやっと取水口に着いた。

取水口 幌尻山荘

 ここからは沢渡りが始まる。 まず垂直に近い壁を横切るのに、肝を冷やされた。次にいよいよ徒渉である。マリンシューズと半ズボンに履き替え、ストックを2本持って慎重に渡る。。最初から膝上の水で、冷たくて足が痺れる。老若男女来ているのに、よくぞ歩くと思う。
 回復を待って次の徒渉に移る。冷たさには次第に慣れてきた。また余裕を持って渡れるようになった。やっと人並みになったようだ。あるときは膝、あるときは腰と23回の徒渉を繰り返し、小屋に着いた。
 仮ゲートから4時間20分であった。結局 沢では誰にも会わなかった。ここは避難小屋なので食事も寝具もない。おにぎりを食べ、すぐに寝袋に入って休んだ。8時頃消灯となった。

 翌朝は小雨が降っていた。3:50合羽を着て小屋を出発した。もうじゅうぶん明るくなっている。“命の泉”という水場を経て、這い松の尾根を急登すると、展望も開けてきた。

命の泉 霧の登山道

 カールに雪が残り、尾根沿いの先に幌尻岳が見える。
 頂上に着いた。頂上は表示板と遭難碑がある。霧で周囲は全く見えない。それほど寒くもない。3人が居り写真を撮りあったりした。大洗からフェリーで来たという。少し居て降りたが、途中では、ときに霧が晴れ、稜線に囲まれたカールが見渡せる。高山植物もところどころ可憐に豊富に咲いている。来た道を戻り、小屋には、11:35に着いた。

カールの雪 幌尻岳頂上

 昼食のおにぎりを食べたが、疲れていておいしくない。着替えをし、荷物を整え、小屋を出た。また徒渉を繰り返し、取水口から、林道を歩き、仮ゲートに16:45に着いた。今日は12時間歩いた。たいへん疲れた。林道を1時間余り走り、予約しておいた平取(びらとり)のビジネスホテルに泊まった。夕飯も疲れていてほとんど食べられなかった。
 この山は特別な山であった。思い付きでは行けない。早い段階からの予約。腰まで水につかる徒渉。そのための装備。荷物が多くなり、小屋行き帰りの林道歩きはきつかった。特に帰りの林道歩きは疲れた。幸い山荘の車が通りかかり、最後の5分くらいだけであったが、他の登山者と一緒に乗せてもらった。地獄で仏くらいに有難かった。行きの歩き始め時間も13:00からでは遅すぎた。いろいろ大変であったが、他の山では味わえない貴重な体験をし、ありがたく思っている。
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