続 三遠南信自動車道 |
鳳来峡ICから浜松いなさJCTまで | 平成23年10月〜平成24年3月(開通まで) |
1.三遠南信自動車道の図
「三遠南信自動車道 前編」は平成22年(2010)2月から平成22年(2010)10月まで約9ケ月間の記録でした。完成時に続編のホームページも作りたいと思っていましたので、これは完成間近の三遠南信道の記録です。
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三遠南信自動車道全図 | 浜松いなさJCT、鳳来峡IC間の図 |
2.完成状況
(1)新城名号地区見学会(2011.10.23)より
見学会は鳳来峡IC、名号高架橋、三遠名号トンネル、三遠大島トンネル手前までを自由に歩くことができます。鳳来峡IC側から歩きました。写真は断り書きがなければその方向からです。
まず鳳来峡ICですがランプウェーが完成し、盛り土部分や土手にも植生が施され、自然が失われないようにしています。
本線へ入ると、高架橋となっていますが、道路上ではそのようなことを感ずることができません。この名号高架橋の長さは188m、高さは45mで15建ビルに匹敵します。
工法はいわゆるヤジロベエー工法で、施工期間は平成17年3月〜平成22年12月、16億円投じ完成しました。
高架橋から直接三遠名号トンネルに入ります。三遠名号トンネルは1056mあります。平成19年に貫通しました。完成は22年1月でした。
三遠名号トンネルを抜けると、土盛りされたところが200mほど続きます。ここからは大島ダムも見えます。
すぐに三遠大島トンネルとなります。三遠大島トンネルは172mで、鳳来峡IC〜浜松いなさJCT間のトンネルの中では一番短く、平成19年5月に貫通しました。見学会はここまででした。
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鳳来峡IC出入り口(10/23) | 鳳来峡ICランプウェーから本線へ。左右の道がランプ道路(10/23) |
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三遠名号トンネルへ。ここは高さ45mの高架橋の上になります。(10/23) | 三遠名号トンネルの中。電灯も点きました(10/23) |
(2)遠州地区見学会(2011.10.23)より
見学はメイン会場から現場見学会バスに乗り、引佐北ICから入り、降りることなく、三遠南信自動車道を見学し、別所トンネル手前で一般道に下りて来ました。バスの窓からでは写真も撮れませんでした。
バスの中の説明で新しいことを知りました。鉄骨で作った橋は今は塗装をしません。それは鉄が表面で酸化され、その酸化膜が内部を保護するからです。
また軟弱な斜面は四角のコンクリートで留めてありますが、ここには20〜30mのロックボルトが打ち込んであります。
こういう2車線道路では正面衝突が起きやすいので、その対策も進んでいます。中央にはコンクリートの突起が作られ、通行方向の両面に反射板が張られていました。
もちろん車線分離標ラバーポールは立ててあります。これは柔軟で車に当たっても傷つくことはありません。また10tのロードローダーで踏んでも壊れることなく復元します。
その他ではガードレールの色が白ではなくやや灰色掛かっていました。これは景観にマッチするようにこの色にしているということでした。
鳳来峡ICと引佐北ICは見学会があり、一応完成したところを見ることができました。しかし鳳来峡ICと引佐北ICの間の完成状況は今後見学会もないようなので、見ることができません。12月4日鳳来峡IC側から引佐北ICまで見てきました。
まず短い大島トンネル(172m)を抜けると、これも短い大島高架橋(88m)を渡ります。大島高架橋は前編では橋脚1本だけでしたが、橋脚3本となり、長い長い三遠トンネル(4525m)と結んでいました。
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大島トンネルを出て三遠トンネルへ高架橋へ | 三遠トンネル入口と避難トンネル |
三遠トンネルを出ると山を崩し土盛りしたところを行きますが、すぐに橋脚3本の寺野高架橋です。橋は180mで、渋川トンネル(久井田トンネル)となります。この寺野高架橋も架橋工事のときはたびたび来ましたが、立派に完成していました。
ここに渋川寺野ICができます。JCT方向の半ICです。(平成23年12月23日記)
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三遠トンネルを出て寺野高架橋へ。渋川寺野ICができます | 寺野高架橋から渋川トンネル(久井田トンネル)へ |
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渋川トンネルからこの橋を渡ってすぐに別所トンネル(奥)へ | 別所トンネルから渋川トンネルを振り返りました |
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別所トンネルを出たところ | 別所トンネル出口を振り返って見ました。 |
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別所トンネルから別所高架橋へ。浜松いなさ北IC(左方向)へ | 浜松いなさJCT方向(奥)への三遠南信道 |
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浜松いなさ北ICの入(左)、出(右)ランプウェイです。奥が鳳来IC方向 | 直進すれば連絡路料金所となり、新東名に入ります |
4.三遠南信自動車道開通
三遠南信自動車道 は 平成24年(2012)3月4日午後3時いよいよ開通となりました。平成15年(2003)に着手され、10年の歳月を掛けて完成です。工事費は740億円です。
南信自動車道は中央道飯田山本ICと新東名浜松いなさJCTを繋ぐ約100kmの自動車専用道ですが、一部は既に開通しています。そして鳳来峡ICと浜松いなさ北IC13.4kmが開通することになりました。
今度開通する区間はトンネルが60%を占め、その中には日本で長さ20の指に入る三遠トンネルがあります。このトンネルは断層帯を貫いており、国土交通省の工事では一番の難工事であったということです。そのような道の開通であり、工事中もよく見に来たので当サイトも感慨ひとしおです。
開通前の平成23年10月23日鳳来峡IC、浜松いなさ北ICでそれぞれ見学会があったので見に来ています。しかし浜松いなさ北IC・鳳来峡IC間を走るのは初めてです。開通を満を持して待っていました。
開通日の翌日3月5日に走ってみました。浜松いなさ北ICから入りました。工事の完成具合を見るのが楽しみです。新東名が開通すれば、引佐連絡路を直進してこの三遠南信自動車道に出ます。浜松いなさ北ICを入るとすぐにゆずり車線が設けてあります。
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浜松いなさJCT | 浜松いなさ北ICは新東名料金所を入ります |
写真を撮るためなるべくゆっくり走りたいのですが、片側1車線なので流れに乗って走るしかありません。いつでも走れるのであせることもありません。
高架橋を3つほど通って別所トンネルとなるのですが、高架橋と気がつかぬまま通り過ぎてしまいます。別所トンネル続いて渋川トンネルを抜けると渋川寺野ICです。ここは浜松いなさ北IC方向との半ICです。ICを出たところの一般道は広くありません。
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浜松いなさ北IC方向を振り返りました | 最初のトンネル、別所トンネルに入ります |
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渋川寺野IC。奥が浜松いなさ北IC | 渋川寺野ICの出口ランプウェイ。回り込んで左写真のところに出ます |
そして長い長い三遠トンネルです。トンネルを抜けるともう愛知県の鳳来峡ICに近くなっています。すぐに大島トンネルに入り、名号トンネルを抜ければ鳳来峡ICです。15分ほどで着いてしまいます。鳳来峡ICの写真は見学会のとき載せたのでここでは省略します。
このHPは三遠南信自動車道の工事進捗状況を本編と続編に、2年間に渡り紹介してまいりました。ここに三遠南信自動車道はすべて完成し、無事開通となりましたので、このHPはこれで終了します。